レジオネラ症の感染者数が多い時期
いえピカの記事をご覧いただきありがとうございます。
ニュースで話題にあがるレジオネラ菌ですが、その感染者数が多くなる時期をご存じですか?
レジオネラ属菌への対策方法を理解することで、レジオネラ症から身を守ることができます。
この記事では、時期によって増加するレジオネラ感染者数の背景を考え、レジオネラ症に感染しないためにできる対策についてまとめています。
レジオネラ症の感染者数が多い時期
レジオネラ症とは
レジオネラ菌は「レジオネラ属菌」と呼ばれ、原生生物に寄生しながら自然界の水域で生息する細菌です。
特に「レジオネラ・ニューモフィラ」はレジオネア症を引き起こすことで知られています。
この病原体は20〜50℃の水域で繁殖し、肺炎を引き起こすリスクが高いとされています。
特に高齢者や新生児、お酒やたばこを多く摂る方、透析療法や移植患者、免疫機能が低下している方は感染リスクが増す可能性があります。
レジオネラ症に感染すると、肺炎やポンティアック熱などの症状が現れ、最悪の場合は致命的になることもあります。
そのため、対策を知り、リスクを軽減する知識が重要です。
レジオネラ菌はどこに生息しているのか
一般的には温泉や公衆浴場での報道が目立ちますが、レジオネラ菌は他にも様々な場所で生息しています。
冷却塔や加湿器、循環式の浴槽水、給湯設備、貯水槽、など、水を使用する設備や施設で十分な衛生管理が行き届いていない場合、レジオネラ菌は大量に繁殖します。
その結果、汚染された水が微粒子やしぶき(エアロゾル)として発生し、これを吸い込むことで感染のリスクが高まります。
つまり、お風呂に入る・エアコンや加湿器を使うだけでレジオネラ症に感染する可能性があると考えられます。
そのため、これらの場所に気をつける必要があります。
レジオネラ症の感染者数が多い時期
レジオネラ症の感染者数が多いのは、7月と9月といわれています。
その理由として、下記の5つの要因があります。
気温の上昇
夏季は気温が高くなるため、レジオネラ菌の増殖に適した条件です。
レジオネラ菌は温暖な環境で繁殖しやすく、高温はその増殖を促進します。
湿度の増加
夏季は湿度が高まります。湿度が高い環境はレジオネラ菌の成長に適しています。
湿度が高いと、エアロゾル(細かい霧やしぶき)が長時間空中にとどまり、感染リスクが高まります。
水源の温度上昇
冷却塔や温泉浴槽などの水源は、夏季に温度が上昇します。
温かい水はレジオネラ菌の増殖に適しており、これらの施設は感染源となります。
エアコンや加湿器の使用
夏季はエアコン、秋口頃から加湿器の使用が増えます。
これらの機器はエアロゾルを発生させ、感染リスクが高くなります。
人々の外出活動
夏季は多くの人々が外出や旅行を楽しむ季節です。
これにより、感染源と接触する機会が増加し、感染リスクが高まります。
気温と湿度の上昇、特定の施設・設備の活動、人々の行動パターンが、レジオネラ菌の繁殖と感染者数の増加に影響を与えていると考えられています。
なお、レジオネラ菌は人から人への感染はしないとされています。
レジオネラ対策
公共の温泉施設やプール、貯水槽、噴水などは、法令で義務づけられた毎日の厳格な清掃と水質・衛生管理が欠かせません。
これは公衆浴場法や旅行業に関する法律で定められた管理者の責務です。
それと同様に、家庭内で乳幼児や高齢者がいる場合、個人でできる対策が安心感をもたらします。
以下に、主な対策を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
温泉ではかけ流しを利用する
施設の衛生管理が十分であることはもちろん重要ですが、一般的に、かけ流しの温泉施設は循環式のものよりも安心とされています。
なぜなら、かけ流しの温泉は水を使いまわさずに新しい温泉が供給されるため、レジオネラ菌の繁殖の可能性が低いと考えられているからです。
乳幼児や高齢者が利用する場合は、このようなかけ流しの温泉施設を選ぶことが一つの良い対策となるでしょう。
ジェットバスなどは控え、源泉の温度が60度以上の温泉を選ぶといい
レジオネラ菌のエアロゾル(微粒子)を吸入を避けるためには、打たせ湯やジェットバス、気泡風呂、低温サウナなどの使用を控えることが一つの対策です。
さらに、レジオネラ菌は60度以上の高温になると死滅すると言われているため、源泉が60度以上の温泉を選ぶことも、感染リスクを軽減するために有効と考えられます。
エアコンフィルター、加湿器の洗浄も対策になる
入浴施設以外の対策としては、エアコンの冷却装置を窓の近くにしない(エアロゾルを室内に侵入させないため)、フィルターのこまめな清掃や交換を心掛けることが、レジオネラ菌の繁殖を防ぐ対策になります。
エアコンの場合、内部にレジオネラ菌が発生する環境があるため、専門業者による洗浄作業を依頼することも検討する必要があるといえます。
また、非加熱式の家庭用加湿器の貯水タンクもレジオネラ菌が繁殖しやすいことから、掃除やフィルターの交換をきちんと行うようにしましょう。
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浴槽やシャワーのこまめな洗浄
24時間入浴が可能な循環式浴槽を使っているご家庭の場合、1997年以降に製造されたものについては、通産省の通達によってレジオネラ菌対策を施した商品が販売されています。
しかし、ジェットバスなども含め、レジオネラ菌が繁殖しやすい環境であることは間違いないため、清掃や消毒をしっかり行うことが大切です。
また、定期的にシャワーヘッドやホースを清掃・消毒すると安心して使用できます。
まとめ
レジオネラ症の感染者数が多い時期は7月・9月という統計ですが、他の時期は感染しないということではありません。
旅行先で温泉・入浴施設を利用する機会があると思いますが、その他にもお風呂・エアコン・加湿器など、自宅にある設備からの感染の可能性もあります。
水が溜まりやすくレジオネラ菌発生の危険がある場所は、清潔にしておくことが大切ですので、しっかりと対策をしておきましょう。
参考:「レジオネラ対策」
厚生労働省
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