入浴施設のレジオネラ症予防対策

query_builder 2024/04/14
レジオネラ対策
入浴施設のレジオネラ症予防対策

いえピカの記事をご覧いただきありがとうございます。



「レジオネラ属菌」「レジオネラ菌」「レジオネラ症」についてのニュースが報道されることがあります。



温泉・入浴施設で

「レジオネラ症と診断された男性が~」

「基準値の〇〇倍のレジオネラ菌が検出され~」

と言ったニュースで流れていますが、どのような感染症のことでしょうか?


この記事では、入浴施設様向けのレジオネラ属菌の症状とその対策についてまとめています。

レジオネラ症について

レジオネラ症の原因

レジオネラ症の原因

レジオネラ症とは、レジオネラ属菌(自然界に生息する細菌の総称)に感染することが原因で引きおこる感染症のことです。


この属には約60種類の細菌が含まれているといわれています。


レジオネラ症を引き起こす細菌としてよく知られているのは“レジオネラ・ニューモフィラ”と呼ばれる細菌です。


感染した場合、レジオネラ肺炎やポンティアック熱といったレジオネラ症を発症することがあり、レジオネラ肺炎は重症化すると命にかかわることもあります。

レジオネラ症の症状

レジオネラ症の症状


レジオネラ症の主な病型には、重症化することがある肺炎の「レジオネラ肺炎」と、一過性で自然に治る「ポンティアック熱」があります。


レジオネラ肺炎の潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は、2~10日とされています。


レジオネラ肺炎では、全身のだるさ、頭痛、食欲不振、筋肉痛などから始まり、せき、38℃以上の高熱、寒気、胸の痛み、呼吸困難がみられるようになります。


意識がぼんやりする、幻覚、手足のふるえといった神経の症状や、下痢がみられることもあります。


適切な治療が行われないと急速に症状が進むことがあり、命にかかわることもあります。


ポンティアック熱では、突然の発熱、寒気、筋肉痛などがみられますが、一過性で、数日以内に自然に治ることが多いとされています。


これらの症状はほかの病気でもみられるため、症状だけでレジオネラ症かどうかを判断することはできません。


気になる症状がある場合は、医療機関に相談してください。


高齢者や新生児は、肺炎を起こす危険性が通常より高いとされています。


また、大量に飲酒する人、喫煙者、透析を受けている人、移植を受けた人、免疫機能が低下している人も、レジオネラ肺炎のリスクが高いとされています。

レジオネラ属菌はどこにいるのか

アメーバに寄生するレジオネラ属菌

レジオネラ属菌は、アメーバなどの原生生物に寄生しながら、川や湖、温泉、土など自然界に生息する細菌です。


この細菌は、一般的に20~45℃で生育し、36℃前後が最も増殖に適した温度とされています。


私たちの身近では、冷却塔の水(ビルの空調設備)、加湿器、循環式浴槽などが感染源として報告されています。


主に水を使う設備で増殖し、汚染された微粒子やしぶきを吸引することで感染する恐れがあるといわれています。


一方で、レジオネラ属菌は60℃では5分間で殺菌されるとされています。


言い換えれば、水やお湯がたまる設備では、衛生管理が不十分だとこの細菌が増える可能性があります。


さらに、浴槽や配管に「ヌメリ」が見られる場合は特に注意が必要です。


このヌメリは生物膜(バイオフィルム)として知られ、レジオネラ菌の繁殖の温床となることが報告されています。

どうやって感染するのか?

レジオネラ症は、主に菌を含む細かな霧やしぶき(エアロゾル)を吸い込むことで感染します。


報告されている主な感染経路は、次の3つです。


①エアロゾル感染(霧状の水)

レジオネラ属菌の含まれた細かい霧やしぶきを口や鼻から吸い込み、それが肺に達することによって感染します。


代表的な感染源として、冷却塔の水、加湿器、循環式浴槽などが報告されています。


噴水やシャワー、気泡の出る浴槽(ジャグジー)なども感染源になりえます。


②吸引・誤嚥(水が気管に入る)

温泉の浴槽内や河川で溺れた際などに、菌を含む水を吸い込んだり、誤って気管に入れてしまったり(誤嚥)したことによる感染事例が報告されています。


③土壌からの感染

レジオネラ属菌に汚染された腐葉土などの粉じんを吸い込んだことが原因と推定される感染事例が報告されています。



なお、通常、人から人へ感染することはありません。


しかし、高齢者・新生児、免疫機能が低下している人は肺炎を引き起こすリスクが高いとされています。


この場合、レジオネラ症への感染を防ぐための対策を講じることが大切です。

レジオネラ菌除去は難しい

バイオフィルムの模式図

しかし、レジオネラ属菌の難しいところは、生物膜(バイオフィルム)が存在するため、洗浄剤や抗菌剤が通りにくく、取り除くのが難しい点にあります。


生物膜の内部には豊富な栄養分があり、また消毒剤などの殺菌作用から守られています。


レジオネラ属菌の増殖源を絶つためには、増殖の場であるバイオフィルムを取り除き、新たな発生を予防する対策が極めて重要です。


バイオフィルム内で繁殖したレジオネラ属菌が浴槽水に流れ込み、しぶきなどとともに吸い込まれると、感染の原因になることがあります。


バイオフィルムを除去せずに、例えば浴槽やろ過装置の洗浄が不十分なまま、浴槽水に塩素だけを添加しても、バイオフィルム内のレジオネラ属菌には十分な効果が期待できません。


また、レジオネラ属菌は自然界に広く分布している細菌であるため、入浴施設などへの侵入を完全に防ぐことは難しいと考えられます。


配管などに生物膜(バイオフィルム)ができている場合、浴槽水の塩素消毒だけでは十分な効果が得られず、レジオネラ属菌が検出されることがあります。


日々の適切な消毒管理とあわせて、設備の状態に応じて生物膜を取り除く清掃・洗浄を行うことが重要です。

日常の対策

日常の対策


レジオネラ対策を行うためには、日々の清掃・管理を行うことも重要です。



毎日の清掃・消毒


ヘアーキャッチャー(集毛器)は毎日、内部を清掃し、塩素系薬剤で消毒します。



適切な全換水


浴槽は原則として毎日完全に換水し、清掃します。毎日が難しい場合でも、週に1回以上は完全に換水するようにしてください。


換水の際は、浴槽の凹凸や壁なども含めて丁寧に清掃してぬめりを取り除き、最後に塩素系の薬剤で消毒します。


*特に木製浴槽の管理は注意が必要です。



ろ過器及び循環配管の管理


週に1回以上、ろ過器を十分に逆洗浄してたまった汚れを取り除きましょう。


同時に、適切な消毒方法を用いて、ろ過器や循環配管に付着した生物膜を除去してください。

管理の流れ

管理の流れ

レジオネラ対策のために、以下の手順を実施し、適切な運営を目指します。



・点検票の作成

対象設備に合わせた自主管理点検票を作成する。


・従業者への周知

従業者に対して、管理方法を詳細に周知し、徹底を促す。


・衛生責任者の指定

施設内から日常の衛生管理を担当する責任者を指定し、その管理を確保する。


・徹底的な衛生管理

指定された責任者が日常的な衛生管理を怠らず、実施する。


・保健所への相談

不明点や疑問がある場合は、最寄りの保健所に相談し、適切なアドバイスを受ける。


これにより、施設全体の衛生管理を進めやすくなり、レジオネラ感染のリスクの低減につながります。

配管内のレジオネラ菌は専門家に相談を

入浴施設のレジオネラ菌対策

レジオネラ菌が配管内などで繁殖している場合、配管内部の適切な処置を行わないと、除去が難しいことがあります。


特に循環型配管の場合は、専門家によるレジオネラ菌除去を検討しましょう。


レジオネラ属菌の繁殖源を根絶するには、この増殖の場であるバイオフィルムを排除し、新たな繁殖を防ぐ対策が重要となります。




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